歯科

人間とわんちゃん、ねこちゃんのお口の中の違い

オーラルケアの必要性 人間とわんちゃん、ねこちゃんのお口の中の環境には違いがあり、それによって、ケアの方法が変わってきます。

違い1 唾液のpH

 人の唾液は、6.5~7の中性に対し、犬と猫は、8~9のアルカリ性です。虫歯菌は、酸性の環境を好み、歯周病菌は、アルカリ性の環境を好みます。

違い2 唾液アミラーゼが少ない

 唾液中にアミラーゼが少ないので、食物から糖が産生されにくい。よって、細菌が糖を代謝して、酸を発生するということが起こりにくい。

違い3 歯石の形成時間

 歯石が形成される時間は、人は1か月かかりますが、

犬では、3~5日

猫では、7日と作られやすい。

この違いがあるため、わんちゃんとねこちゃんは

虫歯にはなりにくい

歯石が付着しやすい

歯周病になりやすい

という特徴があります。

 わんちゃんでは、3歳以上の約80%に歯周病がみられるというデータがあります。

歯周病ってなんだろう?

 では、歯周病ってどんな状態をいうのでしょうか?

歯周病は、歯肉炎と歯周炎を総称したものです。読んで字のごとく、歯の周りの病気なんです。歯の病気ではありません。歯の汚れと、歯周病とは違います。

 歯肉炎 

 予防歯科処置をすれば、元の健康な状態に戻せます。

 歯周炎 

 歯周治療を行っても、健康なもとの組織には戻せません。

 したがって、歯周炎にさせないことが大切です。

オーラルケア

犬のオーラルケア

 日ごろのケアとして、一番効果的なケアは歯みがきですが、なかなか歯みがきをさせてくれる子はいません。オーラルケアの商品は、たくさんありますが、どれがあっているのか、正しい使い方ができているのか、わからないのではないでしょうか?

 そんなときには、どうぞ、ご相談ください。簡単にお口の中の状態をチェックできる検査があります。

予防歯科処置

 ご自宅でのオーラルケアをしっかりやっていても、歯肉炎が起きてしまったときには、全身麻酔をかけて、予防歯科処置を行います。全身麻酔となると、構えてしまう方も多いと思いますが、この方法が一番効果的で、安全に歯科処置を行えます。

 予防歯科処置には、スケーリング、ルートプレーニング、キュレッタージ、ポリッシングが含まれます。どんなことをするかというと、

1.スケーリング

 歯冠部(歯の見えているところ)だけでなく、ルートプレーニングと併せて、歯周ポケットの中の汚れ(歯垢、歯石)を除去します。

2.ルートプレーニング

 歯周ポケットの汚れを取り除き、歯周ポケットの中の歯の表面をスムーズにします。

3.キュレッタージ

 ルートプレーニングを行った後、歯周ポケット内の歯肉側の炎症で壊れた組織を取り除きます。

4.ポリッシンング

 スケーリングを行った後の、歯の表面は細かい凹凸があるため、歯石が付きやすくなっています。それを、研磨することで歯石の再付着をしにくくします。

 軽度から中程度の歯周炎であれば、これらを適切に行うことで、歯周病を治すことが可能です。

歯周病に対する抜歯ポイント

 抜歯は、ぐらついているから抜くというわけではなく、歯周病から口や顎を守る方法の1つです。早くお口の異変に気付いてあげて、適切な予防歯科処置を行うことができれば、歯周病の進行を抑え、抜歯をせずに歯を守ることも可能です。しかし、実際は、奥の歯だったり、口の中をみせてくれなかったりで、発見が遅れ、抜歯せざるを得ない状況が多いのも現状です。

 当院では、その子の性格、年齢、ご自宅でのケアの容易さ、歯科レントゲンでの歯根周囲の状況の確認などを総合的に考え、抜歯を行います。また、抜歯後にできた穴(抜歯窩)は、そのままにすることなく、しっかりと穴をふさぎます。これは、口の中の粘膜を用いて行います。

 その後のオーラルケアは、その子その子にあわせて、行っていきます。

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